鎌長製衡が6年前倒しで再建完了
日本政策投資銀行など3行が一括弁済資金融資
事業内容評価し協調融資
有力な産業用はかりメーカーの鎌長製衡(株)(金本重孝社長、本社・香川県高松市)が6年前倒しで会社整理手続きを終了した。同社の事業内容を高く評価した日本政策投資銀行(小村武総裁)、香川銀行(遠山誠司頭取)、中国銀行(永島旭頭取)の3行が協調して会社整理残債務の一括弁済資金融資(Exitファイナンス)を実行したため。融資金額は非公表。3月30日付で会社整理手続終結が決定した。
金本重孝社長
鎌長製衡は、トラックスケールやパッカースケール、ホッパースケールなどを主力商品とする日本有数の産業用はかりメーカー。グループ企業によるバブル期の土地投機失敗などにより1995(平成7)年に会社整理開始決定を申し立てた。以後、会社整理計画に基づき順調に再建をすすめてきていた。
今回の3行による協調融資(シンジケートローン)により、当初計画していた2012(平成24)年度の整理債務完済より6年前倒しして債務の返済を終えた。会社整理開始から10年で返済を完了したことになる。
期待される今後の事業展開
同社は会社整理の法的手続きが完了することにより、取引先からの信用力向上、設備投資実行などの事業展開など、事業基盤のいっそうの維持・強化が期待されている。
今回の3行協調による一括弁済資金融資は、会社整理の早期終結で会社の信用を高め、事業基盤を安定化させることを目的としたもの。
3行は鎌長製衡の事業内容の以下の点を評価した。1.小回りのきく営業体制と開発力で、顧客の細やかな要望に応え、汎用品と差別化ができている。2.このような事業内容により実績を重ね、産業用はかりという分野で高いシェアを維持し、強固な事業基盤を築いている。
鎌長製衡の概要
【設立】1947(昭和22)年1月
【資本金】3億円
【売上高】36億5300万円(07年3月期)
【従業員】136人
【代表取締役】金本重孝
【事業所】▽高松本社・工場(高松市牟礼町)▽東京支店▽大阪支店▽名古屋支店▽九州支店▽中・四国支店
【主力製品】トラックスケール、パッカースケール・フレコン充填機、ホッパースケールなど産業用はかり、リサイクル処理機器、各種指示計
会社整理手続き経緯
▽95年9月=高松地方裁判所に対し、整理開始決定を申立▽97年3月=整理計画実行命令▽07年2月=高松地方裁判所に対し、整理計画変更申立▽07年3月=整理計画(変更)実行命令、Exitファイナンス実行、整理手続終結決定(3月20日付)
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